家の質 家の質

vol.6 冬の健康いつでも、どこにいても
じんわりと暖かい家は、
気分まで前向きにする。

「すみません。普段は、スリッパをお出ししていないんですよ」。一条工務店で住まいを建てていただいたお客様の家にお伺いして、玄関で靴を脱ぐ時にそう言われると、私たちは内心喜んでいます。実際、真冬でも裸足で過ごしているお客様も多く、お子様が靴下を脱いで家中を走り回っているのもよくある光景。「そういえば、この家に引っ越してきてからは暖かくて、風邪をひきにくくなりましたね」という声を聞けば、それこそ胸が躍る思いです。

こうした声をいただけるのは、一条工務店ならではの「全館床暖房」があるからこそ。開発者は「寒さが厳しい季節には、ただ部屋を暖めるだけでは十分な快適性が得られない。だから、暖房方式から徹底的に見直す必要があった」と話します。それは、お客様のずっと続く毎日の生活をいかに快適にするか、という使命感から生まれた発想でした。

お客様の声から生まれた、全館床暖房のシステム。 お客様の声から生まれた、全館床暖房のシステム。

暖かい空気は上がり、冷たい空気は下がる。そのためエアコンなど部屋の上部から温風を吹きだす暖房では足元が暖まりにくく、部屋の上下で温度差が生じてしまいます。開発者は「かつて一条工務店は業界トップレベルの高気密・高断熱住宅にエアコン暖房を完備し、自信をもってご提供していた。しかしお客様の満足度は思ったように上がらず、むしろ“寒い”というお声まであった。そこでお客様へのヒアリングを実施。そうして分かったのが、エアコンは寒い時に人のいる部屋だけで運転することが多いということ。部分的で間欠的な暖房では、高性能な住宅でも体感としての寒さを解消しきれないことが判明した。一方で、オプション仕様だった床暖房は部分的でも満足度が高いことに着目し、独自の全館床暖房というシステムを構築するに至った」といい、お客様の声を何よりも大切にする一条の開発理念により、全館床暖房が生まれたことを振り返ります。

自社開発だからできた、一条ならではの床暖房。 自社開発だからできた、一条ならではの床暖房。

一条の全館床暖房は、数多くの工夫の積み重ねによって実現されています。開発者は「床暖房は、部屋の面積に対してどれだけ多く配管を敷設できるかで暖房効果が変わってくる。一般的に、キッチンや洗面台などの給排水管の位置を避けてしまうとそのぶん敷設率が低下し、十分な暖かさを感じられない可能性がある。一条は住宅設備が自社グループ生産なので、給排水位置を正確に把握できることを活かし、居住スペースの100%近くまで床暖房の配管を巡らせる設計手法を確立した」と語ります。

さらに配管にはミリ単位の調整が。「導入を検討した当時は、床暖房を部分的に敷設することが一般的だったため、配管の内径が7mmの小径が採用されていた。しかし、細い管で温水を循環させると湯量が少なく、熱が途中で逃げてしまう。そこで、ひと回り大きい内径10mmの管を採用することで湯量をアップさせた。そうすることで熱逃げが減り、適切な温度で循環できるようになった。また、和室の畳の厚みにも一条だけの工夫がある。当時の畳の厚さは30mmが一般的だったが、暖房効果を高めるためにフロア材と同じ12mmの厚さとなる独自の床暖房専用畳を開発した。そうすることで和室まで床暖房することが可能になった」と自社グループ開発のメリットを強調します。

寒い冬の健康は、心地よい暖かさから。 寒い冬の健康は、心地よい暖かさから。

居住スペースのほぼ100%をカバーする一条の全館床暖房は、床だけでなく壁や天井まで熱を伝え、家を丸ごと暖めます。つま先から頭まで包み込むような暖かさがあるのはそのため。「冷え性なのに、裸足でいられる」「厚着をしなくていいから身体がラク」というお声もいただきます。さらにエアコンの設置が難しいトイレや浴室、脱衣洗面室でもポカポカ。小さなお子様の「お風呂の着替え時に風邪をひかせてしまう」という心配も解消します。また、寒暖差から生じる体への負担が少ないことは、特にヒートショックが気になるご高齢の方にとっては嬉しいこと。開発者は「高気密・高断熱住宅と床暖房の相性は抜群。業界トップレベルの高気密・高断熱の住宅では、循環させる温水が25℃程度と体温より低くても全館を効率良く温めることができる。体温より低い温水だから、消費エネルギーも少なく、低温ヤケドの心配もない。また高性能な熱交換換気システム『ロスガード90』により、温めた空気を換気で流出させることもない。小さなエネルギーで無駄なく暖められるということは、ランニングコストの削減ができるということ。だから、一条の床暖房は24時間つけっ放しでも家計の大きな負担にならない。こうして、エアコン暖房で直面した問題を解決し、冬でも健康的に過ごせる住環境を実現できた」と説明します。

健康的な住まいは、「暮らしの質」を高める住まい。 健康的な住まいは、「暮らしの質」を高める住まい。

リビングや寝室、玄関や廊下、お風呂まで、どこにいても、いつでも暖かさが変わらない高性能な住まい。それは、「冬の朝、目覚めてすぐに活動できる」「一年中薄着、しかも裸足で過ごせる」といった、暮らしの変化をもたらします。さらに家の温熱環境と疾患やアレルギーなど健康との関係性については、専門家による研究が日々進められています。健康だけでなく、快適で快活に毎日を送ることができれば、気分まで明るく保てるというもの。小さなお子様からご年配まで、ご家族に心地よく暮らしていただくために、その「家の質」を高めること。それも私たち一条工務店の大きな役目だと考えています。

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